さて、皆さんは健康というと、食事や運動、睡眠の改善が重要というイメージをお持ちかと思いますが、もうひとつ重要なファクターがあります。
それが、「ぼんやりとした不安」にいかに対処していくかということです。
まず、ぼんやりとした不安のなにが問題かをざっくり見ていきましょう。
<ぼんやりとし不安の問題点>
将来に対する「漠然とした不安」というのは、それを抱えているだけで、人間の脳の正常な働きを奪うと多くの研究が証明してきました。
まず、記憶力について、常に何らかの不安を感じている人には、記憶力に関わる、脳の海馬が小さくなる現象が認められています。
ずっと不安にさらされていると、学習能力も落ちてしまって、本当はもっとできるはずなのに、本来の力が出せない状態になります。
そうなれば、仕事でも、いい結果は付いてきませんから、自分は能力のない人間なんだと思い込み、またこの先のことついて不安を感じるという悪循環に突入してしまします。心当たりがある方も多いでしょう。
次に、判断力について、普段は衝動や欲望を抑えられる私たちの脳は、不安感が高まると、様々な化学物資の連鎖が起こり、より原始的な脳が優勢になってしまいます。
不安になると、論理的な判断力を失って、つい食べ過ぎてしまったとか、普段はしないようなミスをしてしまったという経験は誰しもあるのではないでしょうか。
さらに、ぼんやりとした不安は、理性的な判断力を奪い、死期を早めるという研究結果もあります。具体的な原因はわかっていませんが、研究チームは、「不安が強い人は自分を大事にしないからではないか?」と推測しています。
不安な気持ちが自分を大切にする気持ちを低下させ、先ほどのように判断力も低下させるため、食べ過ぎや過度な飲酒、運動不足につながるのではというのです。
「不安」というと私たちは精神的な面ばかり注目しがちですが、実は、身体の中では、物質的な影響が生じて、それが私たちの本来の能力を奪ったり、判断を誤らせたり、果ては寿命を縮めるような選択を繰り返させ、死期を早めていくのです。
<不安への対処>
ぼんやりとした不安への対処として、まずは「現状」と「自分の理想」をはっきりさせることから始めましょう。
不安に感じる原因をはっきりさせるために、「なぜ、自分は不安なのか?」、「何に対して、不安を感じているのか?」自分に問いかけて、これ以上は掘り下げられないというところまで、なるべく具体的に、深堀りしてみてください。
そして、「どんな未来が自分にとって理想的なのか」、「1年後、5年後、10年後、自分がどうなっていたら幸せなのか」、考えてみてください。
ただ正体のわからない不安を放置するのではなく、現状と理想の未来をどんどん深掘りし、明確にして、冷静にどうしたらいいのか考え始める準備をしましょう。まずはそこがすべての始まりです。
ただし、今日は疲れて頭がぼんやりして、何ももう考えられない、という方は
まずは体が喜ぶ栄養のあるものを食べた後、ぐっすり眠って頭をすっきりさせましょう。
心身の基盤がしっかりしなければ、まともな考えも生まれてきませんから、しっかり自分を大切にすることが、まず健康への第一歩です。
具体的に自分をいたわり健康になるための食事や運動、睡眠については、また別の機会に。