最近、「腸活」や「腸内細菌」という言葉が取りざたにされますが、あなたはどれくらい、自分の腸について知っているでしょうか?
今回は、今だ科学が解き明かしきれない、大きな可能性を秘めた腸という臓器をテーマに、お話をしていきたいと思います。
まず、腸が消化の役割を担うことは学校でも習って覚えている方も多いのではないでしょうか?
ですがそれは、腸の役割のごくごく一部を表しているにすぎません。
腸の役割は、
・消化のほかにも、栄養素を体内に送り込む
・ウイルスなどの外敵と戦う
・脂肪酸を生成して腸壁を守る
など、このほかにも驚くほど多岐にわたり、科学の研究でもその全貌はまだわかっていません。
現在、腸についてわかっていることの中で、驚くべき事実をいくつかご紹介しましょう。腸を軽視してはいけないと、考えを改めるきっかけになるはずです。
まず、ひとつめに驚く事実は、腸管上皮細胞(腸の表面の細胞)は、人体の中で、最も細胞分裂が盛んな部位で、1日に約1000万個もの細胞が生まれては死んでいっています。想像を絶する数ですね。
そして次に驚くべきが、腸管内には500~1000兆個(約1・5kg~2・0kg)もの腸内細菌が生息しており、生体最大の免疫系を担ってくれていることです。最近よく聞くようになった、「腸内フローラ」のことですね。
もし、このとんでもない数の腸内細菌がすべていなくなってしまったとしたら、人間の腸は、食べ物の消化・吸収が上手くできなくなり、健康維持に必要な栄養分が吸収できなくなってしまいます。
これは、人間の腸は、もともと、食物繊維を消化する酵素が数えるほどしかなく、代わりに腸内細菌がその消化・吸収などを担ってくれているためです。
人間が住む場所を提供する代わりに、腸内細菌は、食べ物の消化吸収や免疫システムなどを担う、いわば、お互いに助け合う友人のような関係なのです。
このように、私たちは、とても壮大な腸の細胞や腸内細菌たちなど働きによって、今日も元気に生きていけます。普段は想像もしませんが、体の中では、とんでもない活動が毎分毎秒行われていることをたまには思い出して、自分の身体や良き隣人である腸内細菌を大切にする生活を少しずつ取り入れてみてくださいね。
では、一体どのようなことをしていったらよいのか考える際に覚えておいてほしいのが、腸内細菌たちにとって重要なキーワードで、「多様性」と「バランス」です。
具体的に、腸内細菌たちとの友好関係を築いて良い仕事を続けてもらうには、いくつかのポイントがあります。
発酵食品や、食物繊維、抗菌グッズや住環境や自然との触れ合いなどが挙げられるのですが、これらについては次回以降にお話しますね。
それでは、今日も良い一日をお過ごしください!